十一月(霜月のお茶) 十一月(霜月のお茶)
11月は、霜が降る月から霜月(しもつき)と言います。お茶の世界では、炉を開き、茶壼の口を切り、新しい茶を使いはじめる月とされています。
和風月名をご存じでしょうか。
和暦(日本で使われてきた旧暦)における、1月から12月までの各月の名称のこと。
今の暦とは1~2カ月ほどズレがありますので、今の12カ月にそのまま当てはめると多少違和感がありますが、風情が感じられる雅な呼び方です。
11月は、霜が降る月であることから霜月(しもつき)と言います。
お茶の世界では、新しい茶を使い始める大切な月です。
二十四節気では11月7日前後から「立冬」
また日本では古来より、二十四節気が使われてきました。
二十四節気とは、一年を二十四に等分し、その区切りと区切られた期間とにつけられた名前で、その時の気候に応じた名称がつけられています。
「春分」や「秋分」は祝日となっているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
さて二十四節気では、11月7日ごろより11月21日ごろまで「立冬(りっとう)」です。
この日より「立春(りっしゅん)」の前日までが冬となっています。
そして11月22日ごろから12月6日ごろまでは、「小雪(しようせつ)」です。
北国から冬のニュースが届きはじめるころですが、まだ気候もよく冬というには過ごしやすい気候です。
収穫祭やお祭りなどイベントが各地で行われ、厳しい冬を迎える準備が行われます。
ご家庭や職場でちょっといいお茶を開けてみませんか
千利休は柚が色づいたのを見て炉(畳の一角を切って床下に作った小さな囲炉裏)を開いたと伝えられていますが、現在の茶道では、立冬を境に炉を使い始めます。
これを「炉開き」と言います。
炉を開くと同時に、初夏に摘んで寝かせていた新茶の壼を封を切って、その年に初めての濃茶を立てます。
これを「口切り」と言います。
この二つはとてもおめでたい行事で、「茶人の正月」や「お茶の正月」とも言われています。
お抹茶を立てるのはハードルが高いですが、ご自宅や職場などでちょっといい煎茶を淹れてみるのはいかがでしょうか。
急須で丁寧に淹れた温かいお茶は、香りが高くて味わいも良く、寒さや忙しなさ凝り固まった心と体を解きほぐしてくれます。
ビタミンCやカテキンの働きで、風邪予防としてもオススメです。