九、林家木久扇師匠が語る「師匠と弟子のお茶事」 九、林家木久扇師匠が語る「師匠と弟子のお茶事」
「茶事」という言葉があります。「ちゃじ」と読む場合は茶の湯で客をもてなす意味ですが、「ちゃごと」と読む場合は寄り集まって茶や茶菓を供して話し興じることだとか。今回のお話は、噺家のお茶事についてです。
通常、落語の寄席は毎日やっていて、一カ月を十日区切りにして1~10日までを上席、11~20日までを中席、21~月末日までを下席と呼ぶ。
そして噺家は、各興行の初日と楽日(最終日)に師匠宅へ伺うことになっている。
つまり二ツ目や真打に昇進して内弟子や通い弟子から卒業しても※、師匠と月に6日は顔を合わせているというワケ。
※噺家には「前座見習い」「前座」「二ツ目」「真打ち」と階級があり、前座見習いや前座のうちは住み込みや通いで師匠の家で雑用をします。
私、木久扇には現在九人の弟子がいて、地方巡業などで全員来られない時もあるが、初日と楽日の午前中に何人か訪れてくる。
そこで皆から各地の寄席の情報が聞けるし、煎茶、ほうじ茶、ジャスミンティーといろいろなお茶を淹れてくれるのだ。
お茶請けのお菓子も、人形町・草加屋の煎餅や浅草・舟和の芋ようかんなど持ち寄り、それはそれは話に花が咲く。
コロナ前は弟子達との茶事が面白く、楽しみで仕方がなかった。
ところがコロナの時代が到来!
感染予防のため、お茶はペットボトルを一人一本ずつ渡し、お菓子は出なくなった。
マスク姿でモソモソと会話もあまり弾まず。嗚呼……。
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免疫力を上げてお元気にお過ごしください。
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林家木久扇(はやしや・きくおう)
1937年生まれの落語家、漫画家、画家、YouTuber。
漫画家を経て1960年に落語界入り。
1969年には日本テレビ「笑点」のレギュラーメンバー入り。
1973年に真打ちに昇進し、
2007年には落語界史上初の親子W襲名により「林家木久扇」となる。
時代に呼応した新鮮な話芸をもち、アート、ラーメン、絵画、歌、役者、エッセイなど、下町の粋を伝えるマルチな落語家としてお茶の間に人気。
2020年には念願のYouTuberデビュー。
HIKAKINに師事してKIKUKIN名義でチャンネルを開設。
そして同年8月には芸能生活60周年を迎えた。