「音と茶」をテーマにした渋谷の茶葉屋が期間限定で銀座に「GEN GEN AN幻 in 銀座」
今年9月に閉店してしまう、食べ物とお茶のマリアージュがすばらしい茶葉屋さんを紹介します。
約半世紀もの間、銀座の顔の一つだったソニービル。
2017年に閉館し、その跡地に翌年できたのが
Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)です。
地上部と地下4層のローワーパーク(Lower Park)で構成された
地下に吹き抜けがあるオープンな垂直立体公園で、営業は今年9月まで。
その後は建て替え工事となり、
2025年にGinza Sony Parkの最終形が誕生する予定です。
そのGinza Sony Parkに昨年11月、
「菓子と茶」をテーマにした茶葉店「GEN GEN AN 幻in銀座」が
オープンしたと聞いて行ってきました。
都会に「間」をつくりだす茶屋がオープン『GEN GEN AN 幻』伝統と現代の融合、新しいお茶の体験を味わう – Green QualiTEA of Life~日本茶のある心地よい丁寧な暮らし。
EN TEA(株式会社起立工商会社、主宰:丸若裕俊)が運営する「GEN GEN AN」は、伝統と現代のカルチャーの融合により、新しい茶葉の楽しみ方を生み出していく現代版の“茶屋” 「GEN GEN AN幻」を11月28日よりGinza Sony Park地下一階にオープンしました。また、オープンに合わせて、朝に飲む「日茶」、夜に飲む「月茶」の新商品を発売します。
「GEN GEN AN 幻」といえば「茶と人」「茶と音」をテーマにした
渋谷のおしゃれな日本茶スタンド。
お茶の美味しさはもちろん音楽へのこだわりも魅力的で、
店内には壁一面カセットテープがディスプレイされ、
店内のラジカセからは最新のJ-POPや洋楽スタンダード、
沢田研二など多彩な音楽が流れています。
クリエイターからの支持も多く、
サカナクションの山口一郎氏が主宰するNFともコラボレートしたとか。
さらにサカナクションといえば
「GEN GEN AN 幻」との出会いがきっかけとなり
「茶柱」という楽曲が生まれました。
ちょっと寂しい、でもしっとり心に染み入る素敵な曲です。
私はこの曲をカフェのラジオで知りました。
カフェを出てからも妙に耳に残り
もう一度聴きたくなってJ-WAVEのサイトで調べると
「アルクアラウンド」や「新宝島」で有名なグループ名が。
この時からサカナクションをよく聴くようになりました。
アルバム「834.194」に収録されているので
興味のある方はぜひ聴いてみてください。
茶柱 from NF OFFLINE
サカナクションLIVE動画
via www.youtube.com
サカナクションの山口さんは
「GEN GEN AN 幻in銀座」のコンセプトムービーにも出演されています。
GEN GEN AN幻 in GINZA SONY PARK #005 「茶と幻」
via www.youtube.com
閑話休題。
数寄屋橋交差点からGinza Sony Parkに入ると地下へ降りる階段があります。
壁のイラストは銀座というより渋谷っぽいなぁと眺めると「King Gnu」の文字。
去年の10月よりKing Gnuの展示会
「#014 ヌーミレパーク(仮)」をやっていたようなのですが
私が行った日はたまたま緊急事態宣言で中止になっていました。
地下1階に降りるとすぐ左手に
「GEN GEN AN幻 in 銀座」のカウンターがあります。
これ以上ないというくらいシンプルな内装に
ラジカセと木製のチェスト、茶筒、盆栽……。
お茶屋さんがこんなに格好良くなるなんて!
これが、コンセプトムービーで山口さんが書かれた「幻」です。
スタッフらしき人が誰もいないので
今日はお休みかと不安になったのですが、
角を曲がるとちゃんとレジカウンターがありました。
ドリンクは潔く、お茶のみ。金額は一律600円です。
水だしのアイス8種類、
鉄釜で沸かしたホット6種類と日替わりのラテ。
惑星の名前がついたアイスクリームも魅力的でしたが
この日は寒かったのでピタパンとお茶のセットにしました。
お茶はホットの焙じ茶、この日のピタパンは豚角煮です。
レジカウンターにもラジカセ。
懐かしいフォルムですが、
店員さんによるとUSBに対応した新しい商品とのこと。
ソニーパークなのにSONYじゃなくてWINTECHなんですね(笑)。
店頭では茶葉やボトル、パーカーなどオリジナルグッズも販売しています。
そば猪口は、印刷ミスなどで規格外になったB級品を買い取って
上からブランドロゴを入れたものだそうで、
「この柄が欲しい」となっても同じものを手に入れるのが難しいとのこと。
そう言われると欲しくなってしまいます。
ピタパンは少し時間がかかるそうで
まずはお茶だけ受け取って先ほどの席へ戻ります。
うーん、絵になるなぁ。
水色をチェックしようとふたを開けると
焙じ茶特有の香ばしくて甘い、いい香りが広がります。
味は濃いのが好きな私からするとやや薄め。
甘みや旨みがあって、口当たりは非常にまろやかです。
後ろを振り向くと「#014 ヌーミレパーク(仮)」の展示物。
上の方にはソニービル時代のビンテージタイル。
地下とは思えないほどの採光。
ラジカセからはTOKYO FM。
どこを取ってもおしゃれですね。
ほどなくピタパンが運ばれてきました。
てっきり平たくて白っぽいパンかと思ったら
フランスパンのミニブールのようにまん丸。
しかもお皿はステンレスのボウル!
パンのふたを外すと……
見てください!この照り! (テレ東風)
食べると外側のパンはカリカリ、
中の豚角煮はとろっとろのアツアツです。
角煮の一つひとつが大きくて中身たっぷり!
脂もたっぷりなのですが、
なぜかそれほどしつこさを感じません。
よく味わってみると、おなじみの甘辛しょうゆ味の中に
時折爽やかな風味が。
パクチーとイタリアンパセリ、ミント、チャービルだそうです。
ピタパンを食べながら焙じ茶を飲むと、
さっきよりもお茶が美味しく感じられて驚きました。
口の中の脂っぽさがサッパリとし、
お茶の甘みがしばらく後をひきます。
そして再び美味しくピタパンが食べられる。
素晴らしいマリアージュでした。
食後に緑茶も味わっておきたく、アイスの緑茶を注文。
これも旨みよりは甘みが強めです。
そして非常に口当たりまろやか。
茶葉の粉も一緒に飲めるのがいいですね。
お店のコンセプトが「菓子と茶」なのでガトーバスクもセットで。
フランスのバスク地方発祥の伝統的な焼き菓子だそうですが、
バターやアーモンドプードルたっぷりのサクサクした生地や
中央のキャラメルの香ばしさに緑茶がよく合います。
お腹いっぱいになったところで
ソニーパーク内を散策して腹ごなし。
「#014 ヌーミレパーク(仮)」は中止になっていましたが
展示物は一部公開されていました。
エレベーターのあったところに、ソニービルのネオンを展示。
意外とキレイに残っているんですね。
日本が長い歴史の中で親しんできたお茶を、
現代の美意識でアップデートして提案してくれる「GEN GEN AN幻in 銀座」。
残念ながらあと8ヶ月で終わってしまいますので
ぜひその前にもう一度訪れたいと思いました。
<店舗概要>
店名:GEN GEN AN幻(ゲンゲンアン)in 銀座
所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座5-3-1 Ginza Sony Park B1F
アクセス:東京メトロ銀座駅B9番出口直結
営業時間:12:00~19:00
定休日:月曜(月曜祝日の場合は翌火曜休)
電話:050-3556-4292
URL: https://en-tea.com/pages/gengenan