院内感染の原因菌にも強い抗菌効果がある「カテキン染めタオル」を開発
株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、「お茶染め繊維製品」として、院内感染の原因にもなる一部の細菌に強い抗菌効果がある「カテキン染めタオル」を開発し、小原株式会社(社長:越智康行 本社:東京都港区)を通じて7月下旬より順次販売を予定しています。
当社のお茶染め繊維製品は、カテキンの効力を失うことなく、安全性に配慮した当社独自の染色技法を採用しています。また、カテキンの持つ抗菌作用により繊維上のニオイの元となる菌の繁殖を抑制し、菌が発生させるイヤなニオイを防止する効果があり、大変ご好評をいただいています。また、最近では不特定多数の方が利用する場所や施設での接触に不安を感じるという方も増え、消費者の衛生面に関する意識がさらに高まっています。
そこで当社は、こうした不安を抱える消費者の「安心」「安全」への思いに寄り添い、当社独自の染色技法を応用することで、抗生物質などに耐性を持ち院内感染の原因菌として代表的なMRSA(※1)や肺炎桿菌(はいえんかんきん)(※2)にも抗菌効果がある「カテキン染めタオル」を開発しました。今回開発した製品を皮切りに、強い抗菌効果などさまざまな機能性を有するお茶染め繊維製品のラインアップを増やしていく予定です。
当社は、これからもお茶の持つ可能性を追求し、「お茶をお客様の身近な製品へ活用する」というコンセプトのもと、カテキンや茶葉、茶殻を用いた身近な茶配合製品の研究開発に積極的に取組むことで、お茶を通じて飲用以外でもお客様の健康をサポートしてまいります。
(※1)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin resistant Staphylococcus aureus)の略で、抗生物質に対する薬剤耐性を示す院内感染の代表的な原因菌
(※2)免疫力の低下した人に感染し、肺炎、敗血症などを起こす。抗生物質に対する耐性を獲得しやすく院内感染の原因菌となる
≪参考資料≫
「カテキン染めタオル」の抗菌性試験結果(一般財団法人 カケンテストセンターにて測定)
【試験方法】
菌液(MRSA、肺炎桿菌)を接種した「お茶染めタオル」と綿標準布とを37℃で18時間培養した後に生菌数を測定し、下記計算式で抗菌活性値を算出しました。また、タオルの使用状況を考慮して、10回洗濯した「カテキン染めタオル」に関しても同様に抗菌活性値を算出しました(JIS L 1902:2015 菌液吸収法)。
(★)抗菌活性値=(log Ct - log C0)-(log Tt - log T0) ≧ 3.0
Ct:18時間培養後の綿標準布の生菌数
C0:接種直後の綿標準布の生菌数
Tt:18時間培養後の「カテキン染めタオル」の生菌数
T0:接種直後の「カテキン染めタオル」の生菌数
(★)抗菌活性値3以上で強い抗菌効果が認められる