京都の老舗茶商の女将が綴る心温まるエッセイ『お茶の味~京都寺町 一保堂茶舖~』 京都の老舗茶商の女将が綴る心温まるエッセイ『お茶の味~京都寺町 一保堂茶舖~』
お茶に関する随筆をご紹介します。
【発売日】2020/6/1
【出版社】新潮社
【著者】渡辺 都
【価格】文庫本630円+税
【解説】
ゆったりと流れる時間、その時々で変化する風味、茶葉が持つ本来の美味しさ――お湯を沸かし、急須で淹れてこそ感じられるお茶の味わいがあります。
江戸時代半ばから京都に店を構える老舗茶舗「一保堂」に嫁いで知った、代々が受け継ぎ伝えてきた知恵と経験、家族のこと、お店のいまと未来、出会いと発見に満ちた京都生活。
お茶とともにある豊かな暮らしを綴った、心あたたまるエッセイ。
(新潮社HPより)
渡辺都 『お茶の味―京都寺町 一保堂茶舖―』 | 新潮社
ゆったりと流れる時間、その時々で変化する風味、茶葉が持つ本来の美味しさ――お湯を沸かし、急須で淹れてこそ感じられるお茶の味わいがあります。江戸時代半ばから京都に店を構える老舗茶舗「一保堂」に嫁いで知った、代々が受け継ぎ伝
【感想】
書店で見つけて「お茶好きならチェックせねば!」と手に取ったこの本。
なんとも表紙のイラストが鳥獣戯画のように愛らしいのです。
そして最初の文章の出だし
「春の雨は音までやわらかな気がします」
の一文で、すっかり心掴まれレジへ向かいました。
中も愛らしいイラスト入りです。
創業300年の京都の老舗茶商の女将さんによるエッセイで、
茶商の仕事や京都の古い習慣、お茶や茶器の歴史、
美味しいお茶の淹れ方、保存方法などが綴られています。
一つひとつは短いので、仕事の合間や電車の中など
ちょっとしたスキマ時間に読み進められました。
嫌なことは書かれておらず、やさしい言葉で
女将さんの四方山話を聞いているかのよう。
それでいて、スッと背筋を伸ばしたくなる本でした。
<本の中で紹介されていた水出しのお茶の淹れ方>
①大き目の急須に15グラムの茶葉を入れ、冷たい水をいっぱいに注ぎ、
氷のかけらを3個ほど加えます。
②フタをして30分ほど置いてから出し切る。
まろやかで甘みがあり、暑い日に飲むと最高でした!
この一杯にどれほどの時間と人手暇がかけられてきたのか……。
本を読んでから飲むと、お茶の作り手や商う人たちの想いに
感嘆せずにはいられません。
一保堂茶舗(いっぽどうちゃほ) 公式サイト
一保堂茶舗は、1717年(享保2年)創業、京都に本店を構える日本茶専門店です。抹茶、玉露、煎茶、番茶などのお茶や茶器の販売、淹れ方教室やイベントも開催しております。