よく聞かれるご質問のひとつ「お茶の保存は冷蔵庫が良いの?」お茶屋さんはどうしてる? – Green QualiTEA of Life~日本茶のある心地よい丁寧な暮らし。 よく聞かれるご質問のひとつ「お茶の保存は冷蔵庫が良いの?」お茶屋さんはどうしてる?
その昔、冷蔵庫のない江戸時代は春に採れた将軍家が使用する新茶を壺に詰め冷涼な高冷地まで運び、その年の新茶は保存されていました。そして三ヶ月程過ぎた秋の頃に再び保存されたお茶を江戸まで運んでいました。御茶壺道中ですね。お茶は乾燥物なので基本は常温保存となりますが、様々な条件から保存方法によっては急速な品質低下が起きます。せっかく買った美味しいお茶や頂き物のお茶等、出来れば美味しい状態で楽しいお茶時間を過ごして欲しいと思います。ちょっとした手間と注意点を気にして頂いて数ヶ月後の熟成蔵出し煎茶を楽しむのも良いですね。
◯ご自宅でのお茶の保存方法
先ずは保存したいお茶の消費時期を想像します。
今すぐ飲み始める方はそのまま茶缶(密封容器)へ入れて、冷暗所保管でお願い致します。
1.「半年後位になるかな~」 → 冷凍庫で保存しましょう。
2.「数ヶ月後かな~」 → 冷蔵庫で保存しましょう。
3.「今週か来週くらいかな~」 → 涼しく湿度の低い冷暗所で常温保存。
◯美味しい日本茶を保存させる為に対策すべき要因が4つあります。
・酸素 ~ 酸素によりカテキンの酸化やビタミンCの分解が起こり変質します。
・湿度 ~ お茶は乾燥させる事により香味を保ちます。水分は酸化を助長します。
・温度 ~ 高温にさらすと酸化が進みます。
・光(紫外線) ~ お茶の葉緑素を変化させ変色の原因となります。
これらの変質要因を避ける事が保存管理の基となります。
100gなどに小売りされているほとんどの袋は空気や湿度、光からお茶を守るための素材で作られています。また空気が入っているように感じる膨らみのある商品も酸素でなく窒素ガスに置換されている商品が多いです。また、硬めに真空してあるから大丈夫と思われる商品もあるかと思いますが、お茶は形状状態の特性から接触面が大きく小さな隙間が出来るため100%の真空とはなりません。
開封される前のお茶商品は袋の特徴や窒素ガス、真空により品質保持はされております。
開封後や保存方法での品質劣化は非常にもったいないことです。少し気を遣うお茶ですが、出来れば美味しく頂いて欲しい気持ちはお茶生産者も私達販売者も同じ思いです。
◯冷凍、冷蔵保存について
お茶の保存温度は低いほど変質防止効果は高くなりますが大事な注意点が2点あります。
・「移り香」お茶は臭いを吸着します。他の食品とは別の場所に出来ればチャック付き等の袋に入れ二重の移り香予防をおすすめ致します。
・「常温開封」冷凍保存茶は一度冷蔵庫で1日、常温で半日ほど置いて、必ず袋の中の温度が周りの気温と変わらない温度になってから開封して下さい。冷たいまま開封すると茶葉の表面も結露してしまいお茶が湿気り急速に品質が落ちます。
◯お茶屋さんも同じ保存方法。
仕上げ前の荒茶や仕上げ焙煎され袋詰めを待つお茶も20k~30kの真空窒素充填にて冷蔵庫で保存し、使用前は1日半程度の常温へ戻す時間が必要となります。
美味しいお茶時間は美味しい保存方法からですね。
日本茶専門店新緑園 羽澤純吾